「風立ちぬ」への失望と限界 監督宮崎駿の終焉 70歳を超えると、加齢による衰えは否定しがたく顕れてきます。宮崎駿監督の「風立ちぬ」にも、老いによる残酷さを感じてしまいました。監督の創作力は「千と千尋」の絶頂期から、衰退し始めていたのです。この最新作を見終わっても、新しい物語に接したという興奮はありません。いつもの宮崎アニメの既視感ばかりなのです。 飛行機設計と不治の病に犯され… トラックバック:0 コメント:0 2013年09月23日 続きを読むread more
映画「レオニー」の不完全個所 米次郎とイサムの実像 ほとんど事前知識なしに、松井久子監督による「レオニー」をWOWOWで録画して観ました。非常に困難な状況の下で制作されたにちがいないものの、立派な映画に仕上がっています。しかし残念ながらシナリオ、演出、編集には、かなりの粗さと不完全さが目立ちます。特に、無意味としかいいようもない石像彫琢の繰り返しと、出だし部分の時系列を崩した意図不明の編… トラックバック:0 コメント:0 2012年01月12日 続きを読むread more
地上戦闘の悲惨な現実 Band of Brothers & The Pacific この夏はHBOのミニシリーズ The Pacific を観ました。Saving Private RyanのStephen Spielberg とTom Hanksとのコンビによる欧州戦線をえがいたBand of Brothers(BOB) が大変気に入ったので、太平洋戦争をえがいた続編が是非見たかったのです。The Pacific では… トラックバック:0 コメント:0 2010年09月25日 続きを読むread more
映画「剱岳 点の記」 壮大にして粗雑 約半世紀の昔、筆者が始めて本格的な岩登りに取り組んだのが剱岳でした。大学一年の初の山岳部夏合宿は、この剣沢定着でした。この山域は別格のアルプス的な風格を持つ別天地です。剱岳登頂をめぐるこの映画では、トッププロの撮影者による山岳映像がふんだんに盛り込まれています。しかし、登頂を巡る物語は破綻だらけの雑なつくりです。下界の参謀本部陸地測量部… トラックバック:1 コメント:1 2010年01月21日 続きを読むread more
映画評「グラン・トリノ」 黄昏の悔恨 これは、ポーランド移民の子で朝鮮戦争に参戦した米第一騎兵師団の元兵士(多分軍曹で退役)、元フォード自動車組立工の老人の物語です。クリント・イーストウッドの最後の主演作となりそうです。この監督の一連の作品同様に、暗く重い内容ながら解放された明るさを感じさせる秀作に仕上がっています。この物語にも、制作者のメッセージが色濃く表れているようです… トラックバック:0 コメント:0 2009年12月01日 続きを読むread more
「ミスト」にみる米国社会の疲弊 人間集団の劣化 以下は6月13日付の「アメリカ映画の衰退 自己処罰の衝動」続編です。映画「ミスト」(THE MIST 2007年)はStephen King原作の小説(1980)を、Frank Darabont監督が制作したホラー映画です。この監督はKing原作のThe Shawshank Redemption, The Green Mileも映画化し… トラックバック:2 コメント:0 2009年06月25日 続きを読むread more
アメリカ映画の衰退 自己処罰の衝動 この数年の米国映画は明らかに、衰退の下降線をたどっています。2001年9月11日の事件に続き、03年3月に始まったイラク戦争の泥沼が、大きな影を落としているようです。それ以上に、東西冷戦の終結後、唯一の超大国となったアメリカが傲慢に自惚れ思い上がったこと。それに加えて、得体の知れない不安、閉塞感、戸惑いに直面して、自己処罰の衝動に見… トラックバック:0 コメント:0 2009年06月13日 続きを読むread more
ベオウルフ神話と空想力 DVD映画鑑賞 古英語叙事詩ベオウルフの映画ヴァージョンが、相次いでDVDとなっています。古典的な神話世界の映画化には、いかに創造的な想像力を駆使し得るかが、作品の善し悪しの決め手でしょう。ゼメキス監督のCG作品「ベオウルフ 呪われた勇者」(Beowulf)は、ほぼ完全なファンタジーです。その主要テーマは、母性あるいは性の魔力といえます。もうひと… トラックバック:1 コメント:0 2008年08月31日 続きを読むread more
農民 vs 遊牧民 古代から現代に続く対立 米西部劇に「シェーン」という名画があります。ワイオミング州で起きた農民と放牧民との抗争事件を題材とした小説の1953年の映画化です。映画のプロットは、「流れ者」映画の典型となり黒澤明の「用心棒」にも影響しました。アラン・ラッド扮するガンマンが、小さな町に流れ着き、少年と両親の農民家族に雇われます。この地方では土地を独占してきた放牧… トラックバック:1 コメント:0 2008年08月28日 続きを読むread more
老人と娘 DVD映画鑑賞 ウッディ・アレン監督の「タロットカード殺人事件」(Scoop)と、ピーター・オトゥールが主演した「ヴィーナス」(Venus)を続けて観ました。いずれも若い娘と老齢の主人公が微妙に絡んだお話です。この二人とはまだ10年以上は若い筆者としても、身に詰まされます。映画としては、ヴィーナスがはるかに上出来でしょう。「殺人事件」の映画そのも… トラックバック:0 コメント:0 2008年08月22日 続きを読むread more
インディー・ジョーンズ第4作 わが映画鑑賞 スティーブン・スピルバーグ監督のインディー・ジョーンズの第4作「クリスタルスカルの王国」は、18年のブランクを経ての「決定作」として鳴り物入りで 公開中です。しかし、従来の手法、パターン、プロットの繰り返しの駄作でした。舞台は東西冷戦が始まって間もない1957年に設定しています。当時ソ連が米国に大掛かりな破壊活動の特殊部隊を送り込ん… トラックバック:0 コメント:0 2008年08月04日 続きを読むread more
ダイ・シージェのお針子と植物学者 わがDVD映画鑑賞 現代中国七不思議の筆頭は、天安門広場に眠る毛主席でしょう。新中国成立から30年にわたり、数々の失政により数千万の犠牲者を出しながら、いまだに偉大な指導者として崇拝されているのです。文化大革命の狂騒が終焉してから30年、ようやく中国はその後遺症から逃れつつあります。日本で中国人の作家が芥川賞を受賞しています。それより先、フランスでは… トラックバック:0 コメント:1 2008年07月28日 続きを読むread more
ボーフォート レバノンからの撤退 わがDVD映画鑑賞 イスラエル軍が1982年6月、レバノンに侵攻し、パレスチナ解放機構(PLO)の主力武装勢力をベイルートに包囲しチュニジアに追放した一連の軍事行動を「第一次レバノン戦争」と呼ばれています。映画「ボーフォート」は、18年後の2000年5月にイスラエル軍がレバノン南部に設置した「安全保障地帯」から最終的に撤退したのに伴い、レバノン南部… トラックバック:0 コメント:0 2008年07月25日 続きを読むread more
日本映画の欠陥演出 黒澤、市川は名監督か 黒澤明が逝き今村昌平、市川崑らが死去して以来、日本映画界にいわゆる巨匠といわれる監督が払底しています。しかし、ちょっと待ってほしい。これら巨匠たちは、果たして名監督だったのだろうか。筆者は日本映画を見続けて約半世紀となります。確かに、これら監督による名作の数々は素晴らしいものでした。しかし、それでもなおかつ、多くの不満がくすぶ… トラックバック:0 コメント:0 2008年04月03日 続きを読むread more